音楽を味わい、数々のジャンルを織り込んでムーブを生み出すJapanese bgirl、Yasmin
D.LEAGUE 23-24からDYM MESSENGERSとして活躍するbgirl Yasmin。ブレイクダンスをベースにしつつも、幼少期からさまざまなダンスジャンルに触れ、独自のダンススタイルを持って世界で活躍。国内外問わず多くのバトルで結果を残している。そんな彼女に普段の音楽のチョイスやトレーニングの仕方、国内外での活動を通して感じたことなどを聞いた。さらに今回は、こちらで用意したスニーカーに合わせてYasmin自身で選んでもらったコーデを着用し、ダンスムービーを撮影。踊ることを心から楽しむ彼女から生み出されるムーブをぜひ堪能していただきたい。
Q、ダンスを始めたきっかけを教えてください。
「8歳くらいの時にテレビ放送されていたダンス番組『スーパーチャンプル』を見て、ブレイクダンスに興味を持ったことがきっかけでダンスを始めました。地元は兵庫なのですが、大阪までレッスンを受けにいくようになり、そこからHIPHOPなども習い始めました。」
Q、今のダンススタイルを確立していくのに、経験したジャンルや意識的に行なったことがあれば教えてください。
「ハウス、HIPHOP、JAZZなど。他にも一通り、やったことがあります。一時期サルサも独学でやっていました。基本チームメイトの影響や、ショーケースで様々なジャンルに触れる機会が多かったですね。その中でも主に踊っているのはブレイキンです。」

Q、普段どんな音楽を聴いているのか、また踊るための楽曲の選曲にこだわりなどあれば教えてください。
「好きなジャンルは広くて、テンポのいい曲を聴いている時もあれば、環境音的な音楽を着ている時もあります。ブレイキンを踊るときはソウル、ファンク、HIPHOPでBPM90以上。一人でゆったり楽しんで練習したい時はBPM70〜80くらいのものが多いです。私自身ルーツが多いので、世界の音楽も結構聴きますね。南米のラテンっぽいものや民族感のあるものは好きでよく聴きます。レゲエだけどHIPHOPっぽいとかちょっとおしゃれな音楽に惹かれやすいです。そういうのはUKとかに多いイメージですね。」
Q、世界最高峰のバトルでの優勝経験を数々持っていると思いますが、バトルをする上で大切にしていることはありますか?
「根がバトラーではないので、勝ちに行くっていう感覚よりかは、自分のスタイルを見せに行く場だと思っています。まずは自分のスタイルに自信を持つこと。周りに動揺せずに、自分がやりたいと思ってやってきたことを見せられるようにマインドを持っていくのが大事。緊張もしますが、毎回その気持ちを思い出すようにしています。自分のスタイルやオリジナルのムーブを一切ミスなくやり切れるように、安心して臨むためにはやはり練習が必要ですよね。本番で練習以上のものが出せるような心の余裕を持って本番に挑みたいとは思っています。余裕な気持ちを持っていられることが肝かもしれません。」

Q、普段から行うトレーニング方法などあれば教えてください。
「体幹を大事にしていますね。バトル前のウォーミングアップでも意識していますが、じっとしているというイメージよりは、動きながら使う体幹です。体幹トレーニングをやることでその日の自分の調子がわかるので日々行うようにしています。」
Q、海外でのダンスシーンを見ていく中で、日本人の強みと課題があれば教えてください。
「武士道的な、職人気質なところが日本人はあると思います。真面目に、着実に段階をしっかり踏んで習得していくようなイメージ。ただそれだけだと、本来の何に楽しさを覚えていたのかを忘れてしまうような感じがしていて。その部分が課題かなと思います。何のために踊っているか、なぜこの動きを選んだかなど1つ1つの気持ちの置き方みたいなものは海外の人の方が直結的に繋がっている。情熱的でありながらも、一歩一歩段階を踏んでいくというバランスは難しいなと思います。基礎の大切さに気付けることはすごく大事ですが、それだけを考えすぎて、自分の好きに踊れないのは違ってくるというか。グチャグチャでもいいから、楽しんで踊る時間を作るのが自分は楽しいです。私はパーティが好きなので音楽に出会うためにもよく足を運びますが、そこで初めて聴いた音楽に対して自分はこういう動きがしたくなるんだという発見もあります。海外のイベントとか行くと、技術とかを抜きにしてそういうダンスの楽しみ方をしている人が多いイメージ。技術ももちろん大切なのでバランスが大事だとは思いますが、ダンスへの向き合い方の中に楽しむ心を持っていることはすごくいいなと思います。」

Q、Dリーグに参戦したきっかけは?
「TAKUYAさんから連絡が来て、二つ返事で参戦を決めました。オーディションする前のメンバーもその時に聞いて、全員好きなダンサーだったので、こんなメンバーと踊らせてもらえる機会はまずないと感じましたね。2〜3年ダンスから離れていた時期もあったのですが、そこで関東でもFEELできるダンサーとの繋がりが増えて出会ったのが、後にDYM MESSENGERSのメンバーになる人たちでした。本当にかっこいいと思っている人たちがいるチームに声をかけてもらえたということで楽しみだったし、自分たちのチームが日本のダンスシーンに影響を与えるかもしれないと感じていました。基本アンダーグラウンドで活動している人たちがほとんどのチームで、そういう人たちがオーバーグラウンドでがっつりかましていることで、若い子たちの夢の作り方も変わっていくのではないですかね。ブレイクダンサーでありながら自分のできる行動範囲を広げることは楽しいです。その分集中して何かを行う必要はあるし、取捨選択はすごく重要になってくるように感じますが、若い子達にも新しい道として示していきたい気持ちもあって参戦しました。」

Q、2〜3年ダンスから離れた理由は何ですか?
「世界大会で2年連続優勝した後に、もうバトルはいいかなという気持ちになり、ほとんど出なくなりました。レッスンもやめて、その時就職していたので、仕事に専念しながら、踊りたいときに公園で踊るみたいな感じで過ごしていました。ちょうどコロナの時期でもあったので。それからコロナが明けて、やっぱり踊りたい気持ちになったし、踊りを通じて出会った人たちに会いたい気持ちもあり、コミュニティの大事さを感じたというか。そうやってカルチャーを生んでいるのも分かったし、ダンスの世界にまた戻ってきました。」

Q、今までのシーズンの中で思い入れのある作品は何ですか?
「チームに入って1作目の『SPIRIT』ですかね。あの時は今より尖っていたかもしれないですね。あとは今年の『LOST MESSAGE』。これは全員での合わせが4×8で、他はほぼソロオンリーという作品で、このチームの良さが詰まっています。個が強いところに自分を置くことによって、自分を上げていかないといけない。相乗効果が成し得た、ダンサー個人としてのレベルアップと、それがチームとしても反映された珍しいショーケースで、すごく勉強になる作品でした。」
D.LEAGUE 24-25 ROUND.6『LOST MESSAGE』
Q、チームで踊る時とソロで踊る時では違った感覚や意識があるのでしょうか?
「今のチームで踊るときは、ほとんどがブレイキン以外の振付でフットワークなどを入れ込むことはありますが、それ以外は他ジャンルです。それらは練習すること、目で見て学ぶことを大事にしています。トップレベルのダンサーに囲まれていて、全員間違いない感覚を持ち合わせた先生みたいなメンバーなので、そこからしっかりと吸収するようにしている日々ですね。ソロで踊る時も、チームで踊る機会が増えてから、ダンス上手くなったねと褒められることがあるんです。やはりそれは目で見て学ぶ感覚がちゃんとブレイキンの中にも反映されているように思っています。私はブレイキンに何か別のエッセンスを入れていくことを楽しんでいるので、ソロで踊るときはよりそれが分厚く出てくるように、どういう風に織り交ぜていくかを考えていたりしています。」
Q、自身の好きなファッションやこだわりを教えてください。
「割と派手すぎないものが好きなのですが、トータルで見て1アイテムだけ派手にして、遊びを入れるのが好きです。好きなアイテムも自分の知り合いが作っているもので、つながりを感じられるものが多いです。」
Q、今後の展望を教えてください。
「色んな国に行きたいです。国内でも積極的に大会に出て行けたらいいなと思っています。今後はまた挑戦をしていきたくて、来月は久しぶりに海外のバトルに自分でチケットを取って挑みにいきます。これからも自分が踊れる場所を増やし続けたいです。」
彼女のダンスの魅力は、日々踊りを楽しみ、さまざまなカルチャーから影響を受けて生み出されているようだ。Dリーガーとして活動しつつも、またバトルの場に戻ってくるという彼女の今後の活躍をぜひチェックして行きたい。
Talk about stylng
「靴がオールブラックなので、全体的にシックなコーデを組んでみました。遊び心を入れるのが好きなので蝶が描かれたTシャツを着ています。」
着用衣装
ディッキーズ×アトモス ピンク コンバーチブル ジャケット
24fw-dkjk02-blk
¥23,100(税込)
https://www.atmos-pink.com/item/fone/24fw-dkjk02-blk
ナイキ ウィメンズ NSW ACG S/S Tシャツ SP25
hf9523-060
¥6,380(税込)
https://www.atmos-pink.com/item/nike/hf9523-060
アトモス ピンク ストライプ バルーン パンツ
24fw-tapt10-gry
¥14,300(税込)
https://www.atmos-pink.com/item/fone/24fw-tapt10-gry

Talk about sneakers
「かなり軽くて踊りやすいです。普段ブレイキンする時はかなり軽い靴を履いていますが、そんなにハイテクではなくてソールも薄いです。今回履いているのはソールもしっかりしているのでこういう靴でも今後踊っていきたいなと思いました。」

着用スニーカー
ナイキ ショックス R4
hq1988-001
¥21,230(税込)
https://www.atmos-tokyo.com/item/nike/hq1988-001

Yasmin Profile
世界に名を轟かすJapan bgirlの一人。
キッズ時代からシーンの中心で活動しており、RedBull BC ONE Japan、Freestyle Session World Final、Battle Of The Year Bgirl、 OLD SCHOOL NIGHT 等、国内外の世界最高峰バトルで数々の優勝を重ねる。
D.LEAGUEではDYM MESSENGERSに所属しており、ストリートを代表する実力派チームの一員として活躍中。
近年はダンサー以外にモデルとしても活動をしている。
STAFF CREDIT
Model:Yasmin
https://www.instagram.com/malika__yasmin
Photo:REALY
https://www.instagram.com/realy_photo_
Edit & text:megu
https://instagram.com/megu3_hanabi
Production:bashment
https://www.instagram.com/bashment_inc