流れるようなフローで魅せるB-boy Steez
ブレイクダンスの聖地、溝の口で生を授かりスムースなフローで見るものを惹きつけるB-boy、Steez。滑らかさの中にもパワフルな一面を感じさせるそのパフォーマンスは、柔剛をどちらも兼ね備えているとも言える。大学生の頃ダンスを始め、21歳の時に渡米。帰国後は、現在も所属するチーム「THE FLOORRIORZ」で、ブレイクダンス最高峰の大会として有名な「Battle of the Year」で日本人初の優勝を果たした。それだけにとどまらず大会3連覇という快挙も成し遂げた。現在はダンサーとしてのみならず、講師やジャッジ、イベントの企画運営からアパレルブランドのディレクションまで、活躍の場を広げている。現在ではValuence INFINITIESのディレクターも勤めている。
また、撮影当日に曲選びを行い、即興で踊ってもらったダンス映像を撮影。Steezならではの流れるようなパフォーマンスを是非ご覧いただきたい!
Q.ダンスを始めたきっかけを教えてください。
「1番最初に影響を受けたのはテレビで岡村隆史さんのダンスを見たことですね。そのタイミングでは僕はまだずっとサッカーをやっていたんですけど、18歳になって大学に入ったくらいの頃にダンスをやりたいなっていう気持ちが出てきて。自分の出身の溝の口周辺の練習場所などはすでに知っていて、そういう場所にたまたま知り合いがいたりもしたので、そこに飛び込んでダンスを始めたのが1番最初のスタートのきっかけです。」
Q.現在のダンス活動を教えてください。
「プレイヤーとしての活動は前より少し減ってはいて、裏方としての活動が増えていますね。イベントのオーガナイズだったりプロデュース、会社ではアパレル事業があったり、ダンススタジオの方では指導をしたりとか、あとは海外でのジャッジ・審査員、そういうのも含めてダンスに関わることは色々とやらせてもらっています。D.LEAGUEのValuence INFINITIESというチームのディレクターも務めさせてもらっています。今までBreakinを中心にやってきたものが、かなり活動の幅は広がってきたかなっていう感じはあります。」
Q.ご自身のダンサーとしての強みはなんだと思いますか?
「フローっていう、流れとか床での動きっていうところがすごく得意だと自分では思っています。元々留学をしていたこともあって、海外の影響がすごくありますね。自分はラッキーだったと思うんですけど、タイミング的に自分が日本で最初に取り入れたというか。影響を受けてそれを日本でやっていたのが、当時はファッションも含めて少なかったかなっていう。いい意味で少し目立っていたタイミングが自分の中ではあるのかなとは思いますね。それが積み重なって、影響を与える存在になれたのかなとは思います。広い目で見るとそういうところが自分のダンサーとしての強みでもあるのかなって思いますね。」
Q.Steezさんといえばスタイリッシュなフロアの動きが魅力だと思うのですが、そのアイデアはどこから来ていますか?
「自分が動きを作ったりとか考える時って、いきなりそれが完成することはあまりなくて。練習の中で、失敗から不意にアイデアを発見することも結構ありますね。こういう風にしようと思ったのがたまたま失敗したらこうなった、とか、こっちの方が意外と面白いかも、みたいな。多分Breakinって失敗だったりっていうところから生み出されるものも結構多いと思いますし、そういうアイデアの発見っていうのは常に意識しています。」
「あとは、フローというか、流れを意識して動きを考えたりするんですけど、線を描くっていうのは常に意識をしています。足の動きも手の動きも含めて、線を常に描いていく意識を持っておくと、流れるような動きができたりとか。で、その中にあえて流れに逆らう動きを一瞬入れたりすると、またちょっと不思議に見えたりすることもあったりして。こういったことも結構意識していますね。」
Q.Battle of the Yearで3連覇を達成した経験は今現在の活動にどんな影響を与えていますか?
「3連覇っていうのはやっぱり他のチームができていないことでもあると思うので、チームや自分の大きな自信にも繋がっていますね。あとは、例えば現在D.LEAGUEに携われたり、大きな大会での審査員ができたりだとか、イベントプロデュースに関われたりとかっていうところには、結果とか経歴もかなり重要ではあると思います。そういった意味でも、今の自分の仕事にかなり大きな影響はあると思います。」
Q.ご自身がディレクションされているValuence INFINITIESはBreakinとHIPHOPのチームですが、Breakinだけのチームとの違いはなんでしょうか?
「自分はBreakinを主にやってきたので、そこにHIPHOPの要素が入ると普段自分が戦っているバトルの世界ではまずそういうチームはあんまり存在していなくて、多分新しいものだと思うんですよ。それはD.LEAGUEの中でも同じことが言えて。新しいチームを作っていくことが最初の目標・コンセプトとしてありましたね。自分がどちらかというとHIPHOPとか、ちょっとスロービートな曲の方が個人的にも好きだったりとか、ファッション的にもHIPHOPのダンサーに影響を受けた部分も大きくて。そういうシンプルにかっこいいなって思うところもやっぱりあるので、Breakinと掛け合わせたりとか、ミックスすることによって、チームとしての見え方が違ったりとか新しいものが生まれるんじゃないかみたいな。B-boyだけで作るものとはまた違うものが生まれてくると思います。ショーケースでもそうですけど、僕らが持ってない構成力だったりとか、考え方、振りの作り方とか、僕らだけでは生まれないアイデアも、HIPHOPの子たちがいると生まれるし、逆もしかりだし。それが掛け合わせで相乗効果になって、よりかっこよくて新しいものが作れるっていうのは、1つ大きな違いというか、魅力というのは感じています。」

Q.Steezさんが考える、ブレイキンの未来像とはどんなものですか?
「未来像はいい意味であまり変わらないかなと僕は正直思っています。Breakinがオリンピックの種目になるとか、D.LEAGUEが始まるとか、色々あるんですけど、根本的な部分はやっぱり今でもそんなに変わっていないですし。自分も、本質的なところは変わってないかなっていうのは感じるし。もちろん今より可能性が広がって、世界・価値観みたいなところは大きく変わっていくとは思うんですけど、バトルがあって、サイファーがあって、っていう基本的なその軸は変わらず、本質は変わらないかなって思いますね。」



Q.ご自身のダンサー人生において、ターニングポイントはどこだと思いますか?
「1番最初は、溝の口でダンスを始めてから半年ぐらいの頃に、STYLEVALE-TUDOっていうチームがあって、僕の中では頭ひとつ飛び抜けてたというのがあって。見に行った時の、なんかすげえ、かっけえ、みたいな印象を覚えていて。Breakinってかっこいいんだ!って、そのチームを見て影響を受けたのが1番最初のターニングポイントかなとは思っています。その人たちもみんな海外に行った経験があったので、そのあと自分も海外に行きたいかもって思い始めて。で、自分も留学して、現地で見る新しいダンスのスタイルに結構衝撃を受けましたね。スタイル的に大きな影響を受けました。そこから自分のダンススタイルが少しずつできていったと思います。この2つが結構大きなターニングポイントだと思いますね。」

Q.ダンスを仕事にしようと考えている人に向けてアドバイスをお願いします。
「もう今これだけ業界も大きくなって、ダンスの仕事ってやれることがたくさんあると思いますね。自分は何ができて何が得意で何が好きで、みたいなところをしっかり考えて、何かそういうものがひとつあると、自分が生きる場所はこのダンスの業界ではたくさんあると思うので。それがプレイヤーなのか裏方なのか、そういう自分の得意と、好きな部分、何ができるかっていうのをまずはしっかりと理解をしていれば、ダンスの業界で生きていくことはそんなに難しくはないと思います。もちろん簡単ではないですけど(笑)。やれることとかできることはたくさんあると思うので、まずは自分の好きなこと、できることみたいなところをしっかり理解してみるのがいいと思います。」

Talk about styling
「普段はあまりデニムを履いて踊らないんですけど、このデニムは腰回りとかお尻回りが結構広めに作られているので、動きの邪魔にならなくて踊りやすかったです。Tシャツも大きめでサイズ感がちょうどよくて、すごくよかったです。」

Talk about sneakers
「JAMはめっちゃやりやすいです。軽いし柔らかいし、基本的にストレスなく踊れましたね。」

着用スニーカー
NIKE JAM TRAIN
fz8966-100
税込 ¥17,050
https://www.atmos-pink.com/shop/draw/njamtrp2

Steez profile
2005年よりブレイクダンスを始め、21歳で渡米。海外での経験を生かし、日本のみならず海外にも活躍の場を広げる。
2015、2016、2017年とThe FloorriorzのメンバーとしてBattle Of The Year World Finalで前人未到の3連覇に輝く。
そして、2017年に行われたRed Bull BC One Japan Cypherにて日本代表の座を獲得。
現在では、第一生命D.LEAGUEの新規参入チームValuence INFINITIESのディレクターを勤める。