周囲の人々を巻き込み笑顔にするブレイクダンサー WINGZERO
日本が世界に誇るB-boy、WINGZERO。盤石な基礎力からなるフットワークだけでなく、オリジナリティあふれるコミカルかつスタイリッシュな彼のダンススタイルは、世界中の人々を魅了してやまない。2016年には、中心メンバーとして活躍するブレイクダンスチームFOUND NATIONのチームメイト、RYO-FLOW・ISSEIとともにFREESTYLESESSION WORLD FINALの3vs3部門に出場、日本人クルーとして初の優勝を成し遂げた。また、ダンサーとしてのみならず、ダンサーのマネジメントやキャスティングを行う『株式会社FNMD』の代表、YouTubeチャンネル『FLAVAJAPAN -ブレイクダンス TV -』のプロデュースなどその活躍は多岐にわたる。
また、撮影当日に曲選びを行い、即興で踊ってもらったダンス映像を撮影。WINGZEROならではの軽快かつしなやかなフットワークを是非ご覧いただきたい!
Q.ダンスを始めたきっかけを教えてください。
「テレビの影響が大きいですね。岡村さんとゴリさんがめちゃイケでバトルしているのを見て面白いなって思ったり、テレビ東京でも『RAVE2001』という番組があったりとか。そこでみて、回るのかっこいいなと思って。高校生になった時にインターネットの掲示板に『ブレイクダンスやってる人いませんか?』と書き込んで、『ここでやってる人いますよ』と教えてもらった場所に行って練習し始めたのが最初です。」
Q.現在のダンス活動を教えてください。
「もちろんチームでバトルの現場に出つつも、ブレイクダンスに関わる事業を行う会社を始めました。コロナ禍の頃にスタートして、YouTube、アパレル、ダンススタジオから、エージェンシー的なことまで、なんでもやりますよという感じですね。」
Q.ご自身のダンサーとしての強みはなんだと思いますか?
「バトル中の空気感ですかね。ブレイクダンスはバトルがメインなんですけど、現場の雰囲気に合わせて空気を読んで、自分のキャラクターも踏まえつつアクションを起こす。そういったところかなと思っています。」

Q.オリジナリティ溢れるムーヴが魅力のWINGZEROさんですが、そのアイデアはどこから来ていますか?
「変なクラッシュをした時に、この失敗面白いなとか、そういう発想の転換をしてみることは多いですね。他ジャンルのダンスを見ている時に、『そういう体の使い方があるんだ』というのを自分なりにブレイクのフットワークに落とし込んでみる、みたいなこともしています。ひねくれて考えていくと面白いものができたりすると思います。」
Q.今のスタイルを確立するに至ったきっかけのエピソードなどはありますか?
「自分は先ほども言ったように、変な動きとかすごい好きで。どっちかというと基礎的なところよりもアブストラクトなことをやることが結構好きでした。その一方でチームの先輩など、周りにはクラシックなB-boyのBreakin'のスタイルの人も多くて、そういうのもすごい好きだったんですよ。それをうまいことミックスできないかなっていうのを常に考えていてやっていった結果、今のスタイルに繋がったのかもしれないです。」

Q.観客だけでなく仲間や相手チームさえ笑顔にする"遊び"を随所に入れるのも WINGZEROさんの魅力だと思うのですが、ダンス中に心がけている事はありますか?
「予想してないことが起こるのがいちばん面白いなって思っていて。事前にやるって決めているセットもありつつ、やっぱりダンスって即興なので。その時に流れる音だったり、観客だったり、会場だったりが絡み合って、その日にしかない偶発的な何かが起こりうると思います。『自分も想像できないことが何か起きたら面白いな』とか、『みんなが今日いつもと違う何かをやったら面白いな』といったことは常に考えて踊ってるかもしれないです。そういう部分を面白いって思われたら笑いのポイントにもなるし、それが音ハメとかになるとすごいことになる時もあるかもしれないし、かっこいいってなる時もあるかもしれない。自分の場合は笑いになることが多いのかもしれないですけど(笑)。ともかく、ハプニングが起きた方がいいかなと思いながら踊っているというのは大きいかもしれないですね。」
Q.ご自身のダンサー人生において、ターニングポイントはどこだと思いますか?
「ターニングポイントは3つありますね。1つ目は、先ほどお話ししたダンスを始めた時です。その次が、2006年に、アメリカのLAとニューヨークに1ヶ月ぐらい、イベント目がけて旅行したんですよ。いろんな国の人と出会ったり、いろんな人のダンスを見て、自分のマインドが変わりましたね。3つ目は、2011年頃にウクライナの“Yalta Summer Jam”っていうイベントに行って、その時またさらにいろんな世界を見たというか。アメリカとはまた違う面白い人たちがいっぱいいて、自由でいいんだって思いました。基礎的な部分とオリジナルな部分を両方やってる人たちがいっぱいいて、刺激を受けました。そこはかなり自分にとってのターニングポイントだったのかなと思います。」
Q.WINGZEROさんが考える、ブレイキンの未来像とはどんなものですか?
「Breakin'って、スポーツだしダンスだしっていう、受け皿が広いカルチャーだと思っていて。オリンピックだったりとか、そういうスポーツ的な文脈もでも楽しめるし、一方で、ミュージックとかカルチャーとか、アンダーグラウンドの、もっとスモーキーでダークなヒップホップ的文脈でも楽しめるので、いろんな楽しみ方が多彩にあるところが面白いですよね。そういった意味で、Breakin'の中での多様性があるっていうのが広まっていくのが、すごくいい未来なのかなとは思っています。」
Q. ダンスを仕事にしようと考えている人に向けてアドバイスをお願いします。
「ダンスで仕事と言っても、ダンスに付随する何かって世の中に結構たくさんあるので、そこまで間口を広げていくと、自分の中でも腑に落ちて楽しめるような気はしますね。例えばダンスに関わるアパレルなのか、ダンスに関わる映像なのか、ダンスに関わる音楽なのか、
実際自分がダンスを踊るでもいいし、ダンスを振り付ける人でもいいし。自分が踊るだけの選択肢だけじゃなくて、他にもダンスに関わる自分の技術を身につけていくっていうのも、自分の成長にも繋がるし、すごくいいのかなって思います。いろんなことに興味を持って、ダンスをやりたいからダンス以外のこともやるっていうのは、本末転倒のように見えて実は全部が繋がってると思います。」

Talk about styling
「まずロンTは薄手なので、たくさん動いても汗が乾きやすくて踊りやすかったです。あとはなんと言っても、フューチュラらしさ。やっぱり僕らからしたら、伝説のグラフィティライターがパリ五輪のBreakin'のデザインをやっているっていうのは、感慨深いものがありますね。可愛いし、この、ストリートな感じの、ラフな雰囲気が認められてるっていうことも嬉しいですよね。パンツはゆったりめのカーゴで踊りやすかったです。絞りが入ってて自分で調整できるので、良かったです。このニットにもフューチュラのアートワークが施されていて可愛いですね。」

Talk about sneakers
「スポーティーな雰囲気もありつつ、そっちに振り切っているわけでもない、ちょうどいいバランスのデザインだと思いました。あと、これ多分ナイキのスウォッシュが逆になっているのって、マックスとか逆立ちをした時に上下が逆さまになることを考えてのことなのかなって勝手に思っているんですけど、これもすごいですね。後ろのスウォッシュが大きく入っているのも、フットワークのインパクトになりそうだなと思いました。リフレクターも入っていて、例えばステージでライトが照らされると、スピンをしている時に残像になったり、光が反射するっていうのも、考えられているのかなって思いました。完全に憶測ですけど(笑)。いろんなギミックが詰まっていて面白いと思いました。あとは、インソールが厚くてクッション性がかなりあるのも、アクロバットと相性がいいと思いました。Breakin'って途中で靴脱げちゃったりするとちょっとカッコ悪いんですけど、タンのところにゴムが入っているので、脱げづらいようになっていると思うんですよね。そういうところまでよく考えて作られてるなと思いましたね。しかも機能性だけでなく、しっかりかっこいいデザインに落とし込まれていて、JAMやるな。と思いました(笑)。」

着用スニーカー
NIKE JAM BLACK/METALLIC SILVER-GUM LIGHT BROWN (ナイキ ウィメンズ JAM)
fn0314-002
税込 ¥15,730
https://www.atmos-pink.com/item/nike/fn0314-002

WINGZERO profile
結成時から第一線で活動している、FOUND NATIONのコアメンバー。
基礎力の高いフットワークに加え、コミカルかつスタイリッシュなダンススタイルは多方面のジャンルのダンサーからも評価が高い。
オランダで毎年行われているブレイクダンスの世界大会・IBEのFOOTWORK部門で2012年・2013年と二年連続で優勝。
2016年にはFreestyle Session World Finalの3 on 3部門にメンバーのRYO-FLOW、ISSEIと共に出場し、日本人CREWとして初の優勝を成し遂げた。