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DANCERS FILE

【DANCERS FILE Vol.42】BOO

2023.11.10

繊細さの中に渋さが滲み出る実力派Popper BOO

学生時代からダンスバトルやコンテストで数々の活躍を見せ、自らもイベントプロデュースやジャッジ、東京を拠点に結成されたクリエイティブ集団VIBEPAKへの加入など様々な方面で活躍を見せるダンサーBOO。彼の曲を選ばないダンススキルと枠に囚われない音取りのセンスから繰り出されるムーブは多くの観客の目を引きつけて離さない。そんな彼にダンスとの向き合い方やチームメイトとの関係性、ダンス人生でのターニングポイントなどについてインタビューを行った。

また、撮影当日に曲選びから振り作りまでしてもらい、即興でワンムーブ踊ってもらったダンス映像を撮影。彼の緩やか且つ繊細なボディーコントロールの中に垣間見えるパワフルさやダンスに対する考えを是非ご覧いただきたい!

Q.ダンスを始めたキッカケはなんですか?

「中学2年生の時に、EXILEとラッパーのZEEBRAさん、OZROSAURUSのMACCHOさんがコラボした曲のPVを見て”カッケー”となったのがきっかけです。俺ら世代だとDA PUMPがきっかけの人が多いですが、俺はEXILEがきっかけです。USAさんのティッキングと、MAKIDAIさんのスライドに惚れました。」

Q.現在のダンスの活動について教えてください。

「VIBEPAKというクルーとLast Rain LivingroomというPOPのチーム2つに所属しています。ダンスレッスンや、バトルのジャッジ、自分でイベントも主催しています。Popping UnityというPOPのバトルと、The Cornerというショーケースイベントを自分達でプロデュースしています。DJもたまにやったり、何でもやらせてもらってます!」

Q.ご自身のダンサーとしての強みは何だと思いますか?

「熱くなる部分もあればドライな部分もあるところかもしれないですね。漫画に出てくる亀仙人のように飄々としいて、実際に戦ったら強いキャラクターが結構好きなので、大義無さそうに見えて、実はやることをやっている奴になりたいと思っています。俺自身なれているかどうか分からないですが、それを目指している節はありますね。」

Q.様々なDance Battleで勝利していく姿を拝見しておりますが、battleで戦ってる時の心構えや戦う前のルーティンなどあれば教えて下さい。

「相手に対してしっかり自分のダンスをぶつけることが1番ですね。あとはバトルの特色に合わせてベストを尽くすことも大切にしています。バトルイベントも沢山種類があるので、会場の大きさやステージの有無、ジャッジの方など自分のダンスがハマるイベントを選んだり、記憶に残せるような、その日のベストバウトみたいなベストバトルを必ず作るイメージでやっています。それができれば、勝っても負けても文句なし!という心持ちでいますね。戦う前のルーティンは、来たままの服で出てそのまま帰るみたいな、なるべく自然体でいることを意識してやっています。」

Q.Last Rain Livingroom 、VIBEPAK や BOO+SHOW-GOなど、様々な活動でご活躍をされておりますがショーケースの作り方や踊り方などそれぞれ意識していることは何ですか?

「ショーケース作りでは、とにかくコミュニケーションを大切にしています。振り分けはせず、曲が決まったら踊るメンバーで話し合い一個一個積み上げながら作っています。Last Rain Livingroomでは3人で鏡を見ながら動いていき2~3時間でショーケースが完成します。突発的にパッと1発目に出た振りが1番良いとメンバー同士分かっているのであっという間に出来上がっていきます。VIBEPAKはセッションが主体なので、ショーケースを作ることはあまりないですが、コンテストに出た時は半分のメンバーが主体に進めたのを、もう半分のメンバーが客観的に見て引き算をし、抜きの部分を作り気持ち良い印象に仕上げていきます。SHOW-GOとDANCE DELIGHTに出た時は何度も振り返りながらブラッシュアップを繰り返し、一番ストイックに作り込みをした結果、本当にいい状態でショーケースできたなと思います。各チームで全くタイプが違いますが、コミュニケーションを通じて生まれる振り作りを意識しています。少し前にバックダンサーをメインに活動している方達と踊らせてもらう機会があり、そこで意識が変わりました。ショーケース1個1個に対する向き合い方が全然自分たちと異なり、とにかく絶対ミスしないが基本でした。ミスを前提にした作り方をせず、ミスれない作り方を探しています。常にぼやっとはさせない質感や雰囲気を目指しています。」

Q.バトルやショーケースなどを多くの現場で行なっている中で辛かったこと、また嬉しかったことは何ですか?

「辛かったことは本当にたくさんあります。世代的に先輩にスター選手が多かったので、自分はフォロワー世代というか、、、追いかける期間がとても長かったです。30歳過ぎてから評価が上がってきているなと自分で感じる分、20代はとにかく負け続け、プレーヤーになれず観戦者でしかなかった失われた10年のような感じでした。地位や名誉もなく、とにかくお金にもならず、食べていけないことが一番辛かったかもしれないですね。VIBEPAKやLast Rain Livingroomと言う、自分達が活動する地盤ができてきましたが、やっぱり人とのつながりが1番大切だなと感じています。これまで出会った人達のおかげで今があると思っていて、先輩や後輩、同期や友達に出会えたことが1番良かったことかなと思います。」

Q. ご自身のダンサー人生においてのターニングポイントはどこだと思いますか?

「人との出会いが全部ターニングポイントになっていると感じています。EXILEに憧れて通い始めた地元のダンススタジオで出会った先生ケンさんは、NEW JACK SWINGをやっていて、まさに自分が格好良いと憧れていたダンスを教えてくれました。ここまでダンスを続けるきっかけとなったケンさんという人との出会いが1つです。2人目は大学1年生の時に、サークルに教えにきていたフォーマーアクションのKITEさんです。KITEさんとの出会いで、高校生まで続けていたHIPHOPやLOCKなど他のジャンルを全部やめてPOPをやろうと思ったきっかけになりました。3人目は大学2年生の時にJUSTE DEBOUTの決勝で見たLoCoYoKoさんという人です。LoCoYoKoさんのダンスに魅了され、すぐにレッスンに通うようになりました。本当に人って感じですね。3人に加えて今のチームメイトとの出会いや、チームに誘ってもらえたのもターニングポイントだと思っています。自分は本当に人との運に恵まれていて、腐りそうな時に誰かが拾ってくれているなと感じていますね。」

Q.ダンスを仕事にしようと考えている人に向けてアドバイスをお願い致します。

「ダンスは芸能の世界なので、自分がどうなりたいかと考えるのは大事だと思います。俺は芸能と芸能人は違うと思っていて、芸能を極めたいのか、芸能人になりたいのか自分によく問いかけることがすごく大事なんですよね。芸能を極めるなら、ダンスがめちゃくちゃ上手くならないといけないので、その為には時間もかかり、いばらの道だとは思います。芸能人になるには自分の売り出し方を考えたりと、色々なやり方があると思います。そこの線引きを自分の中で作るというのはすごく大事ですし、そういう意味でどっちがいいか選択してほしいなと思います。芸能人になりたいのであれば、俺からアドバイスできることはないかもしれません。何か芸能を極めた人、極めていく過程を積みたいって思っている人だったら、やっぱり人との繋がりや人間関係が重要です。ターニングポイントの話になっちゃいますが、自分には本当に何人もダンスを成長するきっかけをくれた人が沢山いました。自分の殻に閉じこもるのではなくて、色々な所に行って、色々な人と出会うというのがすごく大事なのかなと思いますね。あとやっぱりパーティーやイベントに最後までいる。これが一番大事ですね(笑)」

Q. 今後の活動に関して展望などありましたら是非お聞かせください。

「これまではバトルやコンテストなどで1位を争うことに対して、身を粉にしてやってきました。それも並行して頑張りつつ、ちょっと新しいことにも挑戦したいなと思っています。来年は自分が主催しているイベントを大きくしたいです。ダンスイベントとかダンスバトルとかって、ポジティブなエネルギーがすごい生まれていると思っていて、そのエネルギーが似合う箱作りや、見ている人と出ている人の熱量が一緒になれる大きいイベントをやるタイミングかなと思っています。是非チェックしておいてください!」

Talk about styling

「非常に着やすかったです。このカーディガン欲しい!と思いました。あと、ボトムスもとても踊りやすくて、私服にしたくなりました。」

Talk about sneakers

「見た目はすごくゴツゴツしていていますが、踊ってみたら結構踊りやすくて良かったです。軽くてフィットするので、ダンスでも履けるなとちょっと意識変わりましたね。」

着用スニーカー
ナイキ テック ヘラ
fj9532-200
税込 ¥14,300
https://www.atmos-pink.com/item/nike/fj9532-200

BOO profile

東京板橋。現場100遍をモットーに都内近郊数多くのイベントに出没中。

2016年にLast Rain Livingroomを結成。らしさにとらわれない選曲でOSAKA DANCE DELIGHTにて優勝、1989年生まれ平成の残党を代表してますます邁進中。

同時期に結成した東京ゆとりクリエイティブ集団VIBEPAKではライフスタイルの延長線上の表現を掲げ福岡の伝説的アーティストOlive Oil氏との共演や、セッションを軸としたショーケースなど新たな価値観を提示。

2019年イベントThe Cornerを主催し、Popping×Other vibesをテーマに新たな可能性を模索。

STAFF CREDIT

Model : BOO

https://www.instagram.com/boo_shimada/

Movie:Yuta Kurosawa

https://www.instagram.com/wsb_syuna/